カサブランカが咲きました

通り過ぎると、甘い香りがします。

このところ、暑くて庭にも出れず、夕方6時過ぎにようやく庭に出て撮った写真です。
庭での心の癒し?ができないので、執筆に疲れたらお茶を入れて、まゆこさまにプレゼントして頂いた「女人武蔵」を見ています。少女のころに見た覚えがあるのですが、いざ見直してみると、ほんの一部しか覚えていなかったことに驚いています。でも、ハマり方は少女のころとまったく同じ。栗塚旭さん演じる宮本武蔵と、その武蔵に恋する少女剣客、千加の行方ばかりが気になります。ほかの登場人物も豪華キャストで、それはすごいのに、なぜかそっちばかり……。どうやら、私はまったく成長していないのを発見してしまいました。
そんなこともあって、なんとなく、昔のことを書いてみたくなりました。
少女のころ、私は漫画家志望でした。好きな漫画家は数々あれど、今になって、一番好きだったなあと思うのは小島剛夕さんです。
実は、今でも、小学生のころ、夜店で買った本を大切に持っています。
買ったその時から相当な古本だったので年代物です。おそらく貸本屋さんがあった頃の処分本だろうと思います。
小学生のころ、近くの神社で、月に3度ほど夜店があり、ある日、古本屋さんがこういう本をまとめて売っていたのです。私はお小遣いをはたいて、剛夕さんのばかり数冊買いました。それらもまだ持っていますが、中でもこの本は、私が住んでいる京都が舞台だったので、心惹かれたのかもしれません。

『加茂川ちどり』(作/小島剛夕/つばめ出版)は、時は幕末、舞台は京の町と北山の物語です。この侍は河上彦斎、そう、岡田以蔵よりさらに血も涙もなかったという幕末の暗殺者です。
でも、この物語では、彦斎は主役。この汚れなき乙女と恋におちます。↓は出会いのシーンです。

あらら、何かに似ているではないかと思ったら、タイトルは結束ドラマ「新選組血風録」の土方歳三の恋話「鴨川ちどり」とほぼ同じ。討手に追われて逃げ込んだところで出会う美しい女性は優しくしっかり者。この出会いのシーンは「燃えよ剣」の土方とお雪さんとの出会いのシーンに似ています。
『忍剣花百姫伝』の資料をさがしていて、つい見つけて、おもわず見入ってしまいました。まるで、彦斎が土方さんに見えてきたからです。
最高の土方役者といえば、新旧のチャンピオンがいらっしゃいます。いわずとしれた栗塚旭さんと山本耕史さんですが、この彦斎に、どちらをあてはめても絵になる絵になる。
栗塚さんのお声などは、今にも聞こえてきそうな気がします。このポニーテールの髪の長い感じは山本耕史さんの方が似合うかもしれませんが、わたしは新選組執筆が重なっているため、大河ドラマの途中からは見ることができなくなってしまい、今もそのままです。(同じテーマのドラマや物語の新作は、影響されてはいけないので執筆中は見られないのです)なので、時代を同じくする「篤姫」も見ていません(『恋する新選組』に出てくる「女の武士道」が某ドラマの影響を受けているのか…と書いた方がいらっしゃいました。どのドラマを指してらっしゃるのかはわかりませんが一切そういうことはありませんと、ここで申し上げておきます。私の中の「女の武士道」は少女の頃からのもので、相当年季が入っているのですよ)。むろん、ノンフィクションやそれに準ずるものは資料として熟読しますが。
とはいえ、きっと、大河で新選組ファンになられた方は、新選組の小説や、拙著『花天新選組』や『恋する新選組』を読まれても、山本さんのお声が聞こえるのではないでしょうか。それでいいのです。読む人がそれぞれにイメージできる物語こそ、みんなのための物語なのですから。そういう意味では、良くも悪くも、たいていのアニメは、アニメの絵でしかイメージできないけれど、剛夕さんの絵はいろんな人をイメージできます。そこが、やはり、一番の魅力だったような気がします。
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