美しい阿修羅

今日は、取材で奈良へ行きました。興福寺の国宝特別公開、それも阿修羅立像にお堂でお目にかかれるというまたとない機会も、もうすぐ終了なので、執筆を中断して駆け込みで行ってきました。噂には聞いていたけれど、待ち時間3時間半というすさまじい人手でした。拝観を夕方にずらしてもまだ待ち時間2時間との表示。
並ぶしかないので、3時半から並びましたが、寒かった!
並んでいるうちに時間のない方々が減ったのか、あるいは拝観スピードが上がったのか、5時には拝観できました(とはいえ、一度来てずらした時間を考えれば5時間かかっています)。朝から出かけて、もう薄暗くなってからようやく入れた仮金堂の中は、アルバイトの方々が「最前列は一切立ち止まらないでください」と連呼。
でも、大人1500円の拝観料を払って、寒い中吹きっさらしで2時間も3時間も待って、やっと堂内に入れた参拝者に、歩きながら横目で見ろとはそれはご無体な…と思いました。
信仰、祈念、お参りの気持ちも、横目で済ませということでしょうか……。お堂での公開期間を延長して、お年寄りも多い参拝者をいたわるような処置は不可能なのでしょうか? 
庶民あってのお寺なのになあと、ややため息でしたが、阿修羅立像は想像を超えて繊細で美しかったです。写真で見るのとは、印象が違っていました。
というわけで、むろん阿修羅立像のお写真は撮れませんし、お堂を出たときには真っ暗だし、興福寺へ向かう道や並びながら撮ったこんな写真しかありませんが……このところ、ちょっと辛いこともあるので、私自身は取材とはいえ、鹿や鳥や空、それに阿修羅さまに癒されました。
 牡鹿と鳩
 鳥
 紅葉と鹿
 八角堂の屋根
 五重塔