花は知っていた? 続・司馬遼太郎の愛した京都

昨日の日記の続きです。
 畑嘉さんの近辺
雲ヶ畑の「畑嘉」さんで、お弁当を食べました。美味しかったです。
それから、京都の都心へ。
北大路で、講座の皆さまとお別れしてから、私はまゆこさんとご一緒にいたので、自然に栗さまと京の町を歩くことになりました。
栗さまに案内して頂いたフルーツカフェのミックスジュース(おみやげのフルーツサンドもロールケーキも)、とても美味しかったです。
それから、栗さまのおかげで、相国寺、御所の紅葉刈りもできました。
 御所の大銀杏
 御所の紅葉
 御所錦
でも、街角を歩いていた時です。
いつものように、御所近くに置いてあった自転車を押しつつ、栗さまが歩道を歩いていらっしゃいました。
行く手から、一人の青年が、自転車を押しておられる栗さまに向かって歩いてこられました。
その時、その青年に向かって、「あ、ちょっと待って」と栗さまがおっしゃって、片手で自転車をささえつつしゃがまれました。
「踏まないでね、生きてるものだから」と、栗さまが拾われたのは、折れ落ちた白蘭の小枝でした。
拾った蘭の花を自転車籠へ入れ、栗さまが道をあけようとなさった時です。その青年は、むっとした顔のまま、栗さまを肩で押しのけるようにしてすれ違って行ったのです。それは、自転車を支えていらっしゃる栗さまが少しよろめかれるほどでした。なぜなのでしょう。
蘭の花を籠に入れるほんの少し時間さえ、彼は待てなかったのでしょうか?
栗さまはとても優しくおっしゃったけれど、何かが彼の気に障ったのでしょうか?
彼には彼の何かがあったのでしょう。私たちの知らない何かが棘のように彼の心に刺さっているのなら、どうか、いつか、その棘が抜けてくれますように……
それにしても、以前の日記に書いたバラの花といい、今度の蘭の花といい、花たちは知っているのでしょうか、自分を拾い上げてくれる人を。
一緒に歩いていた誰の前でもなく、栗さまの足元に、いつも、花たちはそっと落ちているのですから……
以前のバラの花日記「土方歳三の愛した京都」
京すずめの会のスタッフのみなさま、土居先生、まゆこさま、シノビリカさま、あさまひめさま、そして、栗さま。それから、この日ご一緒していただいたみなさま。
みなさまのお力で、美しい一日を過ごすことができました、心より御礼申し上げます。
 相国寺
 夕暮れ紅葉