『茶子と三人の男子たち S力人情商店街1』令丈ヒロ子と『全裸男と柴犬男』香月日輪

本日は「ねえさんずの怪」です。
ともかく、とんでもないハードスケジュールをやりくりしてでも、旨いものを食いつつ、業界の黒い話、キラキラの話をしゃべりまくるという集まりはやらねばならぬのです。生きるためには!
そんなわけで、ねえさんずの怪についての話はまた明日ということにして、今日はねえさんたちの新刊をご紹介します。

茶子と三人の男子たち―S力人情商店街〈1〉 (新潮文庫)

茶子と三人の男子たち―S力人情商店街〈1〉 (新潮文庫)

さびれつつある商店街で育った幼なじみの中学生、茶子、吾郎、研、吉野の4人組は、神社で雷に打たれ、超能力を授かった。エスパーアイドル誕生か?……と思いきや、それぞれの不思議な力はどこか「しょぼい」。果たして、彼らの脱力系の活躍でふとん店を襲う謎の事件を解決できるのか? 商店街をこよなく愛する大人気作家によるユーモア青春小説。『S力人情商店街1』を改題。(内容紹介より)
かつて、YAのシリーズとして出た『S力人情商店街』シリーズの文庫化です。
どこの街にもありそうな、さびれた商店街にひっそりとたたずむ塩力神社。
この神さまの起こす奇跡の凄いこと、しょぼいこと〜
このあたりが、令丈流の笑いのツボ。
作家多しといえども、この脱力系のユーモア、コメディを書ける人はそうはいません。
そういう意味でも、面白くて勉強になります。
しかも、一種の推理ものでもあり、ハラハラしつつ物語を追う楽しみも!
子どもは夢中になるけど、大人でも、ついつい、一気に読み切ってしまいます。
四巻完結なので、このさびれた商店街がS力でどう救われるのか、楽しみです〜♪
緊急招集、若だんなの会―S力人情商店街〈2〉 (新潮文庫) おリキ様の代替わり―S力人情商店街〈3〉 (新潮文庫) 茶子の恋と決心―S力人情商店街〈4〉 (新潮文庫)




全裸男と柴犬男 警視庁生活安全部遊撃捜査班 (講談社X文庫)

全裸男と柴犬男 警視庁生活安全部遊撃捜査班 (講談社X文庫)

マンションに帰宅した智宏が居間へのドアを開くと、そこに全裸の男が立っていた。そいつは煙草を斜に咥えたまま、智宏を見てきょとんと言った。「お前、誰?」智宏は、絶叫した。「お前が、誰だ―――っ!!」霊感0の鈍感刑事・石田智宏は、突然の辞令に従い、警視庁の超常現象対策部署・通称遊撃捜査班に異動することに! だがそこで待っていたのは、マンションに幽体離脱して(なぜか全裸で!)現れた、特別捜査官・神瀬京介を始め、あまりにも個性的なメンバーで…!? (内容紹介より)

いや、はや、書店で買うのははばかられるほど過激なこのタイトル。
しかし、それなのに、めちゃ、売れている……!
そりゃあ、面白いからでしょう〜っていうしかないのですが、この話、主役級、主なレギュラーは男ばかり。
しかも、しぶいおっさんがぞろぞろ、ぞろぞろ…と、二回は繰り返さねばならないほど、おっさんの花園ですぅ〜
表紙の兄さんたちは、警視庁の通称遊撃捜査班の刑事です。
しかも、妖しい事件のみ、秘密裏に捜査するという…しかも、その背景には謎めいた超イケメン大金持ちがいて、日々、祝いだ、癒しの会だとかいって、超高級レストランや銀座の一流バーやらへご招待してくれるので、旨そうなご馳走を食いまくる…いや、失礼、食すシーンがそこここにあります。そんなわけで、読んでると、お腹が減ります。
でも、これ読んで、貧乏家の残り物なんかあさっても全く癒されません(その点、暴れたくなる本なので要注意)。
それと、この本を買ったら、タイトルカバーを剥いで下さい。カバーが二重になっていて、兄さんのあられもない姿が見られます。
この工夫を考えた編集さんはすごいけど、お金がかかるから、絶対売れる本!とふんで、決定なさったのでしょう。
香月ねえさん〜 こんな花園、反則やないかぁぁぁ ♥ ♥ ♥