『おはなしの森2』「おはなしの森」の会編(神戸新聞総合出版センター)

森にある21のものがたり。 (内容紹介より)
アンソロジーです。作者は、岡村佳奈、森くま堂、石神誠、河本克美、高浜直子、虎屋佳美、赤木きよみ、中山みどり、かねこかずこ、工藤葉子、国本アルカ、石川純子、陶山君子、畑中弘子、戸沢たか子、三島陽子、中住千春、白矢三恵、西村さとみ、うたかいずみ、うちだちえの各氏(順不同)。

これほど贅沢に作家さんたちを集められたのは、神戸新聞に連載された童話集だからです。
そのうち、いくつかをご紹介させて頂きます。

「おたすけのカサ」赤木きよみ
急な雨が降った時のために学校にある「おたすけの傘」とえりちゃんの心温まるおはなし。
おたすけの傘は、急な雨から子どもたちを守ってくれるだけではなく、その小さな心も守ってくれる傘だったのかな?と思いました。

「ぼくの絵本」国本アルカ
絵本から飛び出てきた猿を追ってくる虎に、リョウはあわてて逃げて、吊り橋のロープをほどきます。虎は吊り橋を渡れなくなって、ほっと一安心。
ところが……絵本の中の大冒険はこれでは終わりません。
たしかに、冒険しようと思うと、泳げないとね!

「ねこと魔法と花火の夜」岡村佳奈
ピアノ教室の帰り、さとるが乗ったバスは、なんとねこのバス。運転手もお客もねこばかり。
一年にたった一度、ねこは魔法がつかえるという……うん、ねこって魔法が使えそう。
どーんと花火が上がった時、ねこたちがニャーニャーミャーミャー大はしゃぎするあたり、その情景が見えるような気がしました。
きっと、しゃべれるようになったねこなら、人間みたいに大はしゃぎするよね!って。

「おむすび・おにぎり大戦争」森くま堂
キッチンにある、おむすび国とおにぎり国の言い争いに、おもわず吹き出しました。
ところが、両国はついに戦争!
いや、笑ってばかりはいられない…と思ったら、素敵なオチが待ってました。
わたしのひいきは、関西弁のおにぎり国で〜す!

「大きくなったら」白戸三恵
大きくなったらなんになる?
なーるほど! こうきたか〜と、楽しくなるおはなし。
これって、絵本になるなあと思いました。

「つの一本」うたかいずみ
かみなりさまと鬼の違いってなーに?
もちろん、かみなりさまは天にいて、ごろごろって雷をならすんだけど、でも、地上で見たら、どちらも、つのが生えてて、虎縞のパンツ。
どっちがどっち? さあ、みんな考えてねって、楽しめるお話。