連載写真絵本「つぶやき物語4 雪だるまと森の神さま」
少し大きくなった子どもの上にも。
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ぼくたちは、岩山から森の景色をながめて、すごく気持ち良かったんだ。
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森の神さまが、ぼくたちを見下ろしていたから、とても安心だった。
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だけど、はしゃぎすぎたぼくは、岩山からころげて、コロコロコロコロコロ……
気が付いたら、神さまの中にころげ落ちていた。
「わ〜ん、ひとりぼっちになっちゃった」
ぼくが泣きだすと、神さまがいった。
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「坊や、泣くんじゃない。どんなものも、命は姿を変えて生きていくものだ。
春が来れば、木の芽は大きくなって、やがて大きくなり過ぎて地に倒れる。
そして、森の赤ちゃんたちのベッドになるんだ。
春になれば、森の雪はとけて、春の川になる。
だけど、坊やは……いいかい?
坊やは、わたしの根っこに落ちてきた。
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だから、坊やとわたしは一つになったんだ。
ひとりぼっちじゃないよ」
それからずっと、ぼくは神さまといっしょにいる。
「もんじろー、かんむり王子、また来年会おうね〜」
※つぶやき物語は、風馬さんの写真から発想した即興のつぶやきに過ぎませんが、第1話、2話、3話は、タイトルのカテゴリー[つぶやき物語]をクリックしたら出てきます〜