つぶやき物語

連載写真絵本「つぶやき物語4 雪だるまと森の神さま」

森に雪が降りました。 ◆ 森の子どもの上にも、 ◆ 少し大きくなった子どもの上にも。 ◆ ぼくが生まれたのは、晴れた日のことだよ。 ◆ 仲間のかんむり王子も生まれて、 ◆ もんじろーも生まれて、 ◆ ぼくたちは、岩山から森の景色をながめて、すごく気持ち良かっ…

連載写真絵本「つぶやき物語3 森の絵描きさん」

「秋だねえ」 「松ぼっくりがいいました。 「秋ですねえ」 真っ赤に染まったもみじもいいました。 「君のきれいなその色は、いったい誰が染めるの? ぼくは緑からこんな色になるだけなのに」 松ぼっくりはうらやましそうにいいました。 「それはね、私たちを…

連載写真絵本「つぶやき物語2 森の声」

「ふかふか、ふかふか、このおふとん、ふわふわで気持ちいい〜」 森の苔の道で誰かがいった。 「誰だい?」 僕はしゃがんで、苔の道をのぞいてみた。つんつん伸びた苔の芽が、ふるふる震えている。 「君かい?」 「ちがうよ」 苔の芽がふるふる笑ってこたえ…

連載写真絵本「つぶやき物語」

道を歩いていたら、三日月が落っこちていた。 「君って、近くで見ると、あばただらけなんだね」 僕は三日月にいった。 「あばたじゃないよ! これは、流れ星の足跡なんだ。僕の一番きれいな思い出なんだぞ」 三日月は怒っていった。 「そうなんだ。……僕たち…