連載写真絵本「つぶやき物語2 森の声」

「ふかふか、ふかふか、このおふとん、ふわふわで気持ちいい〜」
森の苔の道で誰かがいった。
「誰だい?」
僕はしゃがんで、苔の道をのぞいてみた。つんつん伸びた苔の芽が、ふるふる震えている。
「君かい?」
「ちがうよ」
苔の芽がふるふる笑ってこたえた。


「じゃ、君かい?」
僕は、苔のおふとんに落ちた枯れ葉にきいた。
「ちがうよーっ」
枯れ葉は、ふわりと、風に飛ばされながらこたえた。








ざぁーっと風がわたった。



「僕だよ……」
耳もとで誰かが囁いた。
それは、森をわたる風の声だった。


風と仲良しの木漏れ日が…


きらきら、くすくす、笑っていた。


つぶやき物語2 森の声
風馬さんの写真です。
風馬さんの写真には物語があるなあ〜とずっと思ってきたので、「つぶやき物語」を書いてみました〜第二話です! 風馬さんから、新しい写真が届いたら写真絵本として連載します。
※つぶやき物語第一話は、タイトルのカテゴリー[つぶやき物語]をクリックしたら出てきます〜